ダニエルとポール

There will be blood観てきました。

ダニエル・デイ・ルイスとポール・ダノの役名が本名と一緒だったので、
湘南爆走族みたいだな…という思いが脳裏をよぎりました。

が、ここではまじめに感想を。

上映時間3時間近いのに、そんな長さを感じず、
のめりこむように観てしまった。
終わったとき、自分のいる場所とか日時とか一瞬わからなくなってました。
それほどひきこまれた。終わってからも、ずーっと考えさせられる。忘れにくい。

欲望に取り付かれた、冷徹で非情な「石油屋」、だと形容されているダニエルさん。
映画を見ていると、そんな非情な人にも思えなかったです。

決して高みの見物をして荒稼ぎしてるわけではなく、
自分で石油採掘現場に出ているし、事故が起こったら真っ先に陣頭指揮をとっていたし。
血のつながらない息子のこともとても愛しているように思った。
ああいうすべてのこと、愛情がなくちゃできないだろうと。

ただ、自分で自分のことをよくわかっている人で、
「人一倍競争心が強い。他人を成功させたくない」という気持ちが強すぎて、
周りにスキを見せられない。息子にすら、愛情を素直に示せなくなっていく。
本当は一緒に仕事がしたくて仕方がないんだろうに…。

どんどん自分を追い詰めて苦しくなっていくさまが、
「強欲で人を信じないただのイヤなヤツ」にはどうしても思えない。
そんな悲しさやせつなさが後からじわじわ迫ってきました。

不安感をあおる音楽にも、のっけから心をつかまれました。

ポール・ダノ君は、すごい奇妙な役だったけど、またいい味を出していた。

石油採掘の様子などなんだかとってもリアルで、
いつ事故が起こってもおかしくない、危険と隣り合わせの事業なんだということ、
そして実際に、事故で何人もの人が命を失ったのだろうということが、
すごくリアルに迫ってきた。

ポール・トーマス・アンダーソン監督が好きで観にいってみたけど、
期待以上ですごくよかった!

今年のベストワンです、今のところ。
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by sayacok | 2008-05-18 22:23 | DAY&NIGHT
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